コンピューターのスペシャリストを養成する

東京、仙台、名古屋、大阪、九州と全国的に幅広く展開している電子開発学園の一校、名古屋電子計算機専門学校。1970年4月の開校から、情報処理教育50年の実績を持つ名古屋情報メディア専門学校。91年には姉妹校の北海道情報大学と通信衛星(後には高速インターネット回線に変更)を利用した遠隔教育システムを使って名古屋にいながら北海道情報大学を卒業できる仕組みを作り上げた。それ以来、大学、専門学校、両方のITスペシャリストを育成している学校だ。

今回は学校にお伺いし、鈴木先生、鷲尾先生、鮫島先生にお話をお伺いした。名古屋情報メディア専門学校がUnityを導入したのは2014年頃のこと。

「導入はかなり早い段階でした。グループ各校の代表の先生と話をして、その中で、「Unityが一番将来性が高い」また、「作りやすい」と思ったんです。今後Unityが一番伸びるだろうということで、導入しました。当時は参考書や情報もあまりなかったので、Unityの方に本校に来て頂いて、色々教えてもらったりしたんです」(鈴木先生)

授業では、Untiyが無償公開しているサンプルゲームなどをシラバスに取り入れている。

「本校では、2年からゲームプランニング、ゲームプログラミング、ゲームサーバーという三つの専攻に分かれます。学生全員に本校のメインの教育となるプログラミングを教えながら、プランニングコースの学生は、企画などのプランニングの授業を行い、ゲームサーバーの学生はLinuxを覚えるという区分けをしています」(鈴木先生)

学生たちのアイデアが出やすい環境を作る

Unity教育をする上で、気をつけているのは「アイデアが出やすい環境」を教師が率先して作っていくということだ。

「学生たちが、チームを組んで和気あいあいとした空気感というものをしっかりとつくるよう努力をしています。そして、教師側は学生の意見に干渉しないようにする。どんな意見であっても、教師が上から「それは違う」と否定しないようにしているんです。その上で、チーム内で意見をまとめて、いろいろなアイデアが発展してきてゲームを作っていくことで、自由な発想の作品ができる土壌が作られるんです」(鮫島先生)

確かに授業では、学生と教員が和気あいあいとゲーム作りに取り組んでいる。

「自由な空気づくりも大事ですが、何かあってもサポートがあると思わせる安心感も意識しています。ゲーム制作の授業は、教員が2人体制で実施しているので、そこでチーム管理についての質問であるとか、技術面の質問にも随時対応できるような体制を整えているんです。あくまでも、リラックスして作れるようにバックアップする体制を整えています」(鮫島先生)

そうした空気の中で、チーム制作で得られるものは大きいという。

「もちろん、学生によって習熟度が違うんです。それが、チーム制作を行うことで、優れたプログラム能力を持つ学生の姿を見てまだあまりプログラムができない学生が刺激されるという効果があります。優れたプログラム能力を持つ学生の姿を見ながら、そうでない学生はBGMだったり、モデルだったり、ステージ作成といったところで援護する。チームですので、お互いにサポートし合うというのが良いところですね」(鮫島先生)

また、名古屋情報メディア専門学校では、ゲームプランニングの授業も行なっているので、プログラミング技術とプランニングの両面からこれまでにない独自の機能や、雰囲気を持ったゲームが生み出されてくる。 

そうしたゲームたちが、「東京ゲームショウ」や「全国エンターテインメント祭り(ぜんため)」、「Bit Summit」などで外の人の目に触れていくことで、学生たちも大きな学びを得ることになる。またそういった発表の場では、「感想ノート」を置いて、実際にプレイした人の感想を書いてもらうという試みも行っている。様々な感想やアドバイスがあり、学生たちがゲーム制作で大事なことを学ぶのに役立っているそうだ。

コロナ禍のオンライン授業にいち早く対応

名古屋情報メディア専門学校では、2020年3月からコロナ禍対策としてオンライン教育にいち早く対応してきた。まず、学校のポータルサイトを作成し、学生が動画を見ながら学習したり、課題を提出できる他、コミュニケーションも取れるというシステムだ。対面授業を行うようになってからは、マスク着用、体温測定、換気と消毒の徹底などの感染対策を万全に行なっている。

就職に強い理由

名古屋情報メディア専門学校が誇っているのは、就職率の高さ。その秘密は、意外なところにあった。

「教員は、社会人として働いていた経験がある人材が多いんです。グループのシステム開発企業があるので、そこでSEとして従事していた人材や、数年間そこで実務研修を経てから教員になっているケースが多い。そういう意味で、実践経験がある教員から学生に教えられることは多いと思います」(鈴木先生)

「やはり実践的な教育を施すことが可能なので、実際に現場で働いてきた経験を基に、大事な知識とか、働く上での必要な点というのも、しっかりと伝えていけるのが強みではないかなと思っています。知識以外でも、現場で使っている技術や、会社に入る上で必要な部分、人付き合いなどの面のところも教員が持っているので、そういった全体的な指導というのが可能なんです。就職活動では、面接の練習を積み重ねるという指導も行なっています」(鮫島先生)

今後も卒業生の活躍が楽しみだ。